行動経済学&社会心理学

行動経済学&社会心理学の研究
ビジネスリーダー必携の実践知識
MBAホルダー等のビジネスリーダーも注目する実践学問(更新:16.05/10)

プロスペクト理論とは?

得をする時と損をする時で価値の感じ方が異なる

宝くじをあなたが引くとして、例えば、以下の2つのパターンのくじが選べるとする。

  • もれなく¥10000が当たるくじ。
  • 50%の確立で¥20000が当たるが、残り50%の確立で¥0のくじ。

この場合、あなたはどちらを選ぶだろうか?実験によれば、約60%の人が「もれなく¥10000が貰える」方を選んだ。では、次の場合はどうだろう?

  • もれなく¥10000を罰金として取られるくじ。(※1)
  • 50%の確立で¥20000を罰金として取られるが、50%の確立で免除されるくじ。(※2)

この場合の実験結果では、(※1)を選んだ人の割合は30%にまで落ち、(※2)を選ぶ人が70%までに昇ったのである。

このくじによる実験は、結果的に見た場合、どの選択肢を選んでも、金銭的価値としては全て同様の¥10000であるはずですね。でも、最初の実験の場合は得られる金銭が少なくても良いからより堅実性の高い選択肢を選び、1番目の実験の場合は、よりリスクの高い(つまりは堅実性の低い)選択肢を選んでリスクを回避しようとする意思を見て取れるわけです。

つまり、同じ額でも自分の「利益」と「損失」では「損失」の方がより強く印象に残り、それを回避しようとする行動をとる事を示しています。これを行動経済学では損失回避性と言います。

又、同額であっても損失の方をより強く感じる事に変わりは無くとも、損失・利益共に額が大きくなればなるほどその感覚が鈍ってくる事も実験によって分かっています。これを感応度逓減性と言います。

プロスペクト理論とは、「価値関数(損失回避性)」と、大きい額になるにつれ感覚が麻痺してくる事をあらわす「確立加重関数(感応度逓減性)」からなり、人間が利益や損失を伴う選択肢でどのような意思決定をするか、損失と利得をどのように評価をするのかを解説する理論なんです。

損失回避性は既に解説したとおりですが、感応度逓減性を現実的な分かりやすい例で説明すると、

感応度逓減性
Aショップで¥10000で売られているラジカセが、15分ほど先の1つ隣の駅のBショップでは、¥6000で売られている場合、かなりの確立でBショップへ行くと思いますが、同じくAショップで¥250000で売られているPCが、Bショップで¥246000で売られていた場合、わざわざBショップへ行きますか?

という事になります。みなさん、多少なりとも覚えがあると思います。



行動経済学とは?

今回がメルマガ初回ということで、行動経済学の中でも比較的有名なプロスペクト理論を取り上げました。でも、行動経済学ってそもそも何でしょうか?普通の経済学とはどう違うのでしょうか?

生身の人間が下す評価・行動を分析した実践経済学

行動経済学とは、これまでの古典的な経済学がモデルとしていた人間(※経済人、ホモ・エコノミクスとも言われる)を前提とした経済学ではなく、生身の人間を対象とし、人間がどのような状況下で、どのように選択・行動し、その結果どうなるかを究明することを目的とした新しく実践的な経済学なんです。

行動経済学の有名な研究者としては、前述のプロスペクト理論を提唱した、ダニエル・カーネマン、エイモス・トベルスキーがいます。(ダニエル・カーネマンはプロスペクト理論によりノーベル経済学賞を受賞しています。現在も存命で、アメリカのプリンストン大学で教授として教鞭を執っています)

行動経済学では、古典経済学が想定するつねに合理的な判断をするホモエコノミクスを対象としたものではなく、現実世界に生きる人間を意識・行動を対象とした学問の為、起業家、ビジネスリーダー、MBAホルダーやMBA学習者など、マーケティングやマネジメント分野をはじめとするビジネス界で強い注目を集めています。

※ホモ・エコノミクスとは?
古典的な経済学が想定する、自己の利益を最大限に考え、その為に常に合理的な判断で一貫した行動を将来に渡ってもぶれる事無く行う人間のモデル。道徳や倫理にも左右されず、常に自身の為にだけ行動をする存在。当然、現実に存在するわけではない。ホモ・サピエンスをもじって命名された。


これからこのメルマガでは、私自身が学んでいる事柄を中心に行動経済学やこれに密接に関わりを持っている社会心理学を全25回のメルマガ配信によって、現実の事例を踏まえできるだけ判り易く解説して行こうと思っています。

簡単に言えば、完全無料の全25回のメールセミナーのような雰囲気を想定してもらえば分かりやすいでしょうか。(ただ、事前にご承知置き頂きたいのですが、私自身が勉強中の身ですので、多少説明が分かりずらいといった事態があるかも知れません。その時はごめんなさい)




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